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Twitterより真面目な話をしたりしなかったりします

和解について

タイトル読んでも何を書いた記事か分からなくてほとほと困り果てているので金輪際あのような真似はしません

 

和解とは

IQが上昇して見出しを付けるスキルを覚えましたわーい!無駄に使お

さて 

和解って元々は法律用語なんですけど、みんな産まれた時から知ってる言葉ですよね。僕もこの世に生を受けた時、ショックで「オギャーッ!!和解」と口走ってしまいました。契約としての和解も巷で使われている語義とほぼ同じです。しかしこの規定は実際はかなり攻撃力が高く、慎重になる必要があるようです。(追記:嘘でした)

 

条文は民法695条。

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分かりやすくて最高や。重要なのは「当事者が互いに譲歩をして」ってとこくらいですかね。このことをそのまま【互譲】って言うらしいですけど一生使わないです。和解と似た感じの言葉で示談ってのがありますが、この二つは 和解 ⊂ 示談 の関係にあります。示談は民事上の争いを裁判外で解決する契約ですが、この契約の中でお互いの譲歩があれば和解になります。これについては後でもう少し詳しく説明します。

 

我々の身近に起こり得るもので交通事故を例にとってみましょう。僕も上京してからは電車と徒歩の移動しかないので安全ですが、地元にいた頃はマッハ2で自転車通学していたので5,6回事故りました。そういった交通事故において、加害者は「港区の住人全員轢き殺してもたで工藤!」といったような相当悪質な場合には刑事責任を問われます(刑罰を受けます)が、一般には民法上の「不法行為責任」という責任を負います。

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今回のメインでは無いので流しますが、超使う条文なので多分生きてたらそのうちまた見ます。知らんけど。ところで、民事裁判と刑事裁判は、必ずしもどちらかしか起こせないというものではありません。人をメリケンサックで殴って恥骨を破壊した場合、検察官が加害者を起訴すれば刑事裁判が始まり、そこで有罪と認められれば懲役とか罰金が科されるわけですが、この罰金というのは国に納められるお金です。すなわち、刑事裁判で有罪判決が出ても被害者は慰謝料などを貰うことはできないのです。そこで被害者は民事裁判を同時に提起して、慰謝料請求などをするわけですね。

 

閑話休題。交通事故についてでしたが、普通は刑事どころか民事裁判にさえならないですよね。軽いものなら自賠責保険、任意保険で被害者の治療費、慰謝料、車の修理費などがカバーされるので、そもそも大して争う事がないからです。このように当事者双方が裁判外で話し合って、「この件は起訴せずに丸く収めましょう」と合意するのが「示談」ですね。この示談の中でも、例えばV12エンジン搭載780馬力の軽トラに乗った僕が与謝野晶子に衝突してしまった場合はどうでしょう。普通に考えて与謝野晶子に非があるとは思うのですが、与謝野晶子が「歩道を300km/hで走ってたお前が悪いがかすり傷程度だったし慰謝料払ってくれればそれ以上請求をしないでやってもいい」などとぬかし僕も渋々ながら同意した、となれば互いに譲歩しているので「和解」となります。一方、与謝野晶子様が「いやウチ印税めっちゃあるから金はいらんでw」と仰って頂けるのであれば僕は譲歩していないので単なる「示談」というわけですわね。

 

いやそんな違いどうでも良くないですか?どっちもお互い合意してるんだし結局は同じやんけ、という気もしますよね。先程の695条は、何をしたら和解になるのか(和解の要件)を説明した条文ですが、和解をしたらどうなるのか(和解の効果)までは記されていません。実は効力に関してはこの次の696条に記載されているのですが、大事なのは1つだけです。

 

和解の確定効

示談には無い和解特有の法律上の効果ってのがあって、それが【和解の確定効】と呼ばれるものです。条文載せるほどでもないので結論だけ言うと、和解で決定したことは、後からそれと異なる証拠が出てきても覆らないという効果。例えば、さっきの交通事故の和解の後、与謝野晶子がよく考えたらかすり傷じゃなくて全身複雑骨折だったからやっぱり治療費を払えと言ってきてもこれはもはや認められないとされます。鞭打ちなんかは後からくると言いますし皆さんも焦って早急に和解をしてしまわないようにしましょう。

と、情報操作してここで終われば締まりが良かったのですが、実際には社会はそんなに厳しくないです。かすり傷と全身複雑骨折を間違えて和解したら追加請求できないのはそんな人間はいないからであって、先程の鞭打ちのような傷害の場合は、和解当時に被害者が想定し得なくてもしょうがないかって感じで判例は例外として和解の絶対効を否定してます。しかも結構広く例外を認めてるようなので和解全然攻撃力高くなかったですね…。役に立たない記事かよ

 

おわりに

ほぼ最後まで書いてから自分の前提知識が間違っていた事に気付いて書き直す羽目になった…。民法上の和解と民事訴訟法上の和解と民事調停法上の和解を混同してました。勉強になりました。ボツにするかと思ったんですがここまで書いたし無理やりまとめて公開します。それを抜きにしても和解とかめちゃめちゃニッチなジャンルだし絶対試験に出ないと思うし読者を自分に限定してももう何やねんこれといったお気持ちです すいません

今回のテーマは交通事故だったってことで。そういえばこの前、免許取得から1年間無事故無違反だったのでセーフドライバーの証みたいなやつが送られてきました。全然運転してないのにお前は最高に安全なドライバーだって言われるのめっちゃ皮肉ですね。でも免許取ると車側の怖さが実感できるので自転車やら乗る時は以前よりもセーフティーになりました。皆さんも深夜の国道8号線を彼女とLINEしながらチャリで逆走していて相対速度60km/hでセダンにブッ飛ばされ危うく他界しかけるようなゴミ人間にはならないようにしましょう。おしまい