洗剤買わなきゃ…
どうも、半年後には4回生であり、所属しているゼミは刑事法系でありながら、何故か未だに1回生に混じって刑法総論の授業を受けている者です。ぐえー
法律第2回ですが、前回民法の話をしたので今回は刑法の分野からということで。あ 民法ってのが争いの解決を、刑法は罪人への刑罰を目的とする法律ですね。タイトル意味わかんないってか いやわかるでしょ 切れたんですよ洗濯用洗剤が だから買わなきゃ。
いやねーずっと使ってた洗剤、結構高価なやつだったんですけど、自腹で買ったものではなくて貰ったものなんです。読☆新聞の勧誘の人からね(余談ですが、伏せ字を◯じゃなくて☆にすると らき☆すたみたいになって悪意が消えます)。事の始まりは2年前なんですが
僕の住んでるアパートはオートロックの共用玄関があって、来訪者は部屋番号を押して中の人に開けてもらわないとまず部屋の前まで来られないんですよね。でもその日は共用玄関のインターホンではなく、直接部屋のドアの横にあるインターホンが鳴ったんです。共用玄関を突破してきているわけですので、僕は「隣の部屋の人とかかな?」くらいのノリで開けました。すると
「あっどうも〜読売☆聞の者ですが、今ねー、一部屋ずつ回ってるんですよ」
は??はあ。 は?
「大学生?」「ハイソックス(はいそうですを略しがちワイ)」「オアアここ結構住んでるの?」「いや今年の春からックスね」「オアアバイトとかしとるん?」「口を慎め」
このように無為な会話が15分くらい続くので、来た意味が分からないですし、僕は早々にお帰りになって頂きたいオーラを出すべく全てにウィッスと返答していたところ、突然彼は
「オアアいいんすか!?有難うございます!!!!!!!!」と絶叫したかと思うと新聞を3ヶ月とる契約が結ばれていました。戸惑いを禁じ得ない僕を尻目に彼はなおも続けて口からノイズを吐く!
「オアア本当に今日中にこれ契約とらないといけなかったんで助かりました!!是非感謝の気持ちとして色々受け取って下さい!!!」
「うるせえそれを貴様の辞世の句にしてやる(どうもありがとうございます)」
そういうわけでタダで貰ったのが
・洗濯用洗剤6本(漂白剤・蛍光剤・着色料無添加、詰め替え用含む)
他にもなんか貰ったかもしれんけど忘れました。一人暮らしにはかなり有難い。新聞いらんけどな。でもまあこれも何かの縁だし人助けしたと思って、新聞もこの機会に読むかぁという穏やかな気持ちで終わr
「そういやここセキュリティガバガバやね、鍵持ってなくてもダイヤルこうこうこう押せば共用玄関の扉開くでww」(ウィーン)(オーストリア)
オイイイイイイイお前いいのかそれで侵入してきていいのか!??!?そもそも最初にそこでインターホン鳴らしてたら居留守キメてたわ!!!でも教えてくれてありがとうこれから俺もその技使お!!!
そうして知識、日用品、何やら字のたくさん書かれたゴミ(捨てても毎日ポストに戻ってくる)を僕に与えて彼は去ってゆきました。
はいっということでね、今回のテーマは「住居侵入罪」です。制裁を下しましょう。
住居侵入罪の条文はこちら、刑法130条。書くより画像の方が読みやすいハズ。
読めば ほーんって感じですよね。条文は大体そうなんですけど。しかしこれでも十分意味は分かるのに、「住居」って何なんや…とか面倒な事を言い始めるのが法学者。家だよ! こういう解釈的な話については色々言う人がいるので様々な学説があるのですが、そんな長々と書きたくないし僕が取る説だけ書きます(洗脳)。
「住居」とは人の起臥寝食に使用される場所(いつも生活するとこ)に限らず、【一時的であれ日常生活に使用するために占拠する、ある程度の構造を有した場所】であるというもの。「一時的であれ」ってのは、例えば旅館の一室も宿泊者にとっては泊まってる間は住居と解するということです。「ある程度の構造を有する」というのは、例えばホームレスが住んでいる橋の下などは住居ではないということですね。これ住居だったらぼく住居侵入罪犯しまくりです。また、条文からも明らかですが、「場所」なので建物に限らず船とか車両もアリです。
以上が住居。次に、条文に戻って、「人の看守する邸宅(空き家、別荘などを指す)、建造物、艦船」ですが、「看守する」というのは、他人が侵入しないように事実上誰かが管理しているということです。
つまりは大きく分けたこの2つに勝手に侵入しちゃダメだよってことなんすけど、お察しの通り次は「侵入」の意味を確認しなきゃいけません。めんどいので結論だけ書きますと、侵入とは【管理権者の意思に反する立ち入り】です。そこに住んでる人だとか建物の管理人だとかが、ある人の立ち入りを容認していなかったと合理的に判断されれば、もう侵入です。最近は判例も通説もこの立場だそう。うーんまあこれだけ覚えとくか…
よし、語義解釈終わりー。最後に管理権者が複数人いる時に生じる問題……は別にこんなとこで取り上げなくていいわ。新聞社だよ、某新聞社の手先の行為を検証しろ。
これ今めっちゃいい判例見つけたんですが、名古屋高裁平成8年判決で、“共同住宅・集合住宅のうち、各室はそれぞれ「住居」であるが、1階出入口から、(中略)階段踊り場、屋上などの共用部分も「住居」と解するべきであろう” と述べられています。すなわち、彼の行為を130条に当てはめていきますと、
「正当な理由がないのに」→ 新聞契約の勧誘行為に、管理権者(ここでは僕)の、他人の立ち入りを認める自由に優越するほどの正当性は認めがたい
「人の住居…に侵入し…た」→ 住居である共同玄関から部屋の前まで、管理権者の意思に反して立ち入っている(侵入にあたる)
となり、130条の住居侵入罪が成立します。するよな?何か要件抜かしてるかな。するでしょ。
同条によれば彼には3年以下の懲役又は10万円以下の罰金が科されるわけですが、新聞以外に無償でくれたものを合計すると1万円相当の価値があったと思うので、もうそれでいいです。僕に払ったら罰金にはならないんですけどね。
えー、当初は普通に昔の有名な事件とか取り上げようと思ってたんですが、折角なので実体験を検証してみたところ犯罪が成立してしまい、自分がいきなり犯罪被害者になってしまいました…。僕自身はあれ結果的にかなり得したと思っているのでこうしてネタにできるんですが。法律に詳しい人は間違ってたら御一報頂けると幸いです。
ちなみに☆☆☆☆、3ヶ月の契約が切れた途端に再契約とるために怒涛の連続コールですわ。完全にカモにされている。これその時の着信履歴なんですけどね
こっっわ 正気の沙汰ではない ヤバが過ぎる
てか普通に考えて19:04の7回目に出ない奴が8回目を2分後にかけて出るはずねーだろ
幸い1日で止みましたが。同じ部屋訪ねても、瑕疵担保の記事で書いたようにもう引越してるので別の人がsacrificeになるだけですしね。安寧……
このように一人暮らしは色々あるので最高に楽しいですよ、是非お勧めします。と締めて、今回はおしまい。ばいばーい
p.s. 新聞は1回も読みませんでした