ポリプログ

Twitterより真面目な話をしたりしなかったりします

法…炭酸抜きコーラですか…

たいしたものですね

コーラを室内に撒いておくと一気に…こう…来客が増えて賑やかになるのでオススメです

 

 

 

今回から法の話をするわよ

全然テーマが思いつかないので、この前の期末の復習を兼ねて民法の債権から持ってきます。

 

民法の条文は1,043条まであって今からやろうとしてるのが570条あたりなので、ONE PIECEに例えるなら1巻の2ページ目でいきなりエースが死ぬ感じですかね。でも可及的具体的に説明していきますし細かいところは省きます。あと【 】内は難しいので飛ばして読んでも分かるようにしマシュ・俺がwrite

 

 

 

これから話すのは「売主の瑕疵担保責任」というものです。瑕疵担保は"かしたんぽ"と読みます。きりたんぽみたいでおいしそう!はい。

 

これは民法570条に規定されています。

§570:売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、買主は、契約の解除及び損害賠償を請求することができる。(一部改変)

 

 

は?

まず語句をひとつずつ考えましょー。最初の「売買の目的物」っていうのは例えば大麻とかですね。お金を払って何かを買う時の買った物のことです。余談ですが売買の条文は555条で覚えやすいので今度からレジのおばちゃんに555条!555条!と言いまくりましょう。イカレ野郎を見る目をされます。

 

次に、「隠れた瑕疵」。瑕疵っていうのはキズとか汚れ、みたいな物だと考えてください。これについては詳しく後述します。

 

最後の「契約の解除」と「損害賠償の請求」。

ここでいう契約というのは売買の事を指します。物を売る、買うという行為は相手との契約であるとされてるんですね。ですので「契約の解除」は大麻やっぱ返すから払った金も返してよーってことです。損害賠償は損したぶんを金で償えってやつです。血で償わせるのはダメみたいですね。

「損害賠償の請求」はオイイイ全部吸ったけどこれ大麻やなくて半分ただの草やんけ!償いな!って相手に言うことですね。

 

 

なるほど570条は大麻がいわゆる不良品だった場合に売主に責任があるよ!っていうルールを定めているのかな?

 

いや知ってるわなそんなん。ここまでの821文字はいったい……といったところなんですが面倒なのはこっからなんですわぁ(⌒,_ゝ⌒)

 

 

 

「隠れた瑕疵」の隠れたって何でしょう。大麻じゃ説明しにくいんですよね、これだから麻薬はだめ。家で説明しましょう。家のキズが隠れているってことは例えば地震で内部の柱にヒビが入ってたりしてたら買う前に見ても分からないですね。他方、屋根の一部が何故かダンボールだったらどうでしょう。めっちゃ雨漏りするしめっちゃ建築士にナメられてますがそれはさておき、屋根も上から見たら瑕疵に気付くし隠れてないのでは?僕もよく実家の屋根の上登ってましたし。

 

条文だけを読んで分かるのはこれくらいでしょうか。

法律を勉強する上での三大アイテムは条文・判例・学説です。事実は小説よりも奇なりという諺がありますが立法者の想像の5次元上をいく事件が起こったりしますし、条文の言葉の意味を確定してくれたりするので判例(過去の裁判の判決のこと)は必要です。特に最高裁判所の判決は下級裁判で踏襲されるため重要です。学説は法学者の考え方であり、有力な説は判例を塗り替えることもあります。

 

 

てなわけで実は学説等により「隠れた」の定義もほぼ確定していて、【買主が瑕疵の存在を知らず、かつ、買主が取引上要求される通常の注意を用いてもその瑕疵を発見できないであろうこと】であるとされています。普通の人間が普通にしてて分からなかったら隠れてるってことにしようって感じです。

先ほどのダンボールの屋根はまあ範囲によりますが屋外の下から見ても屋内からみても分からんという場合は、露出してはいても隠れた瑕疵ということができます。

 

 

最後に、瑕疵瑕疵言ってるけど欠陥と瑕疵は同じものなのかというお話。

結論から言いますと微妙に違って、判例は、欠陥が瑕疵に当たるかどうかは【売買契約の当事者間においてどのような品質・性能のものが予定されていたかを売買契約当時の取引観念に基づいて判断する】と示しています。

ざっくり言うと、土地を買ったら土壌中にフッ素が含まれていたけど、買った時はまだフッ素の有害性が認識されていなかった。後で有害だと分かって売主を訴えたけどそれは当時誰も分かる余地がなかったんだから瑕疵とは言えないよ、っていう判例でした。それで売主が有責だったらちょっと厳しいもんね。おしまい

 

 

 

ここまでが瑕疵担保の1〜2割くらいの話ですがこれが柱となる部分なんじゃないでしょうか。570条で相手を殴る為には「隠れた瑕疵」を満たしているかの考察・判断が重要であると分かりました。

 

 

Q. これ一体どこで役に立つんでしょうか

 

A. 僕は上京3年目ですが一度引越しています。炭酸抜きコーラを床に撒き散らしていたところ、去年の夏にふと床を見たら蟻が200匹くらい這っててめっちゃ面白くて住めなくなりました。というか丁度そのタイミングで当初希望してた部屋が空いたので引越しました。いや別に撒き散らしてはいないんですが、いつの間にか部屋の隅の壁と床の間に隙間が開いてて、1階の角部屋だったためにそこから入ってきてたんすね。

「瑕疵のある住宅やww」って言ってたんですが、契約当時蟻が入る部屋を予定してたわけではないですし、パッと見分からない隙間だったので確かに隠れた瑕疵に当たりますけども、買った時点で隙間があったか分からない以上は売主に担保責任を問えません。終了です。

 

結論:570条を理解していれば諦めがつく

 

 

 

それでは蟻を殺してる時の僕の写真を載せて、さよならだ

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